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シクロデキストリン(CyD)の役割第5弾! 「水難溶性物質の可溶化や結晶析出の抑制」

2019.9.5

シクロデキストリン(CyD)の役割第5弾!
「水難溶性物質の可溶化や結晶析出の抑制」
柑橘類にはナリンギンやリモニンなどの苦味物質が含まれています。これらは柑橘缶詰やジュースの味を決める重要な成分であるが、結晶性が高く、製品中で結晶化して「白ボケ」とうい現象を生じる場合があります。一般的の消費者は「白ボケ」を異物混入あるいはカビが発生していると誤認してしまう場合などがあります。
また、紅茶に含まれるタンニン類は酸性低温条件下で結晶化して白濁するミルクダウンもしくはクリームダウンと呼ばれる現象が起きることが知られています。一般に、レモンティーのpHは4以下の弱酸性であり、夏季には冷却されて飲用される場合が多く、飲料の容器もPETボトルへのシフトもあり、商品の見た目を損なうことからミルクダウンは解決するべき問題であると考えられます。
今回は柑橘の成分であるナリンギンがCyDを添加することで溶解度を上昇させ水難溶性物質の可溶化及びタンニン類の結晶化抑制効果について紹介いたします。
α-CyD、β-CyD、γ-CyDによる可溶化試験に関しまして(グラフ1)
ナリンギンはβ-CyDあるいはγ-CyDと包接することにより水に対する溶解度が上昇した。
CyDによる紅茶のミルクダウン防止効果に関しまして(グラフ2)
検討は茶葉重量に対して180倍量の水を加え、90~95℃で10分間抽出した後、茶葉をろ別して得た抽出液のpHをクエン酸でpH3.5に調整し、得られる紅茶液量に対して0.7%(w/v)の各CyDを添加し、8℃で保存して生成する沈殿(濁度)を720 nmで測定を行なった。
ミルクダウン現象は、紅茶中に少量のβ-CyDを添加することで大幅に改善された。
参考資料:ナノマテリアルシクロデキストリン
ミルクダウン現象は、紅茶中に砂糖などの糖質の添加量を増やすことである程度は改善できることは知られていたが、近年の消費者の糖質離れから甘味料以外のミルクダウン防止方法が開発されたことは非常に有意義なことであると考えられます。
この技術はレモンティーだけでなく紅茶ベースの果汁飲料や紅茶風味のアルコール飲料などにも応用されています。
水に溶けにくいために食品などに加工しにくい成分や結晶析出してしまう成分などをお持ちの方は、下記の問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい!!弊社にて検討試験を実施いたします。
http://www.cyding.jp/
引き続きシクロデキストリン(CyD)の役割について紹介したいと思います!

各CyDによるナリンギンの可溶化.png

各CyDによる紅茶ミルクダウンの防止.png

シクロデキストリン(CyD)の役割第4弾! 「苦味、渋みなどの呈味性改善(マスキング)」

2019.9.3

シクロデキストリン(CyD)の役割第4弾!
「苦味、渋みなどの呈味性改善(マスキング)」
苦味は味覚の一つで適度な苦味が飲料や食品を美味しくする要因となっていますが、あまりにも苦すぎるのは食品としては食べにくく問題であります。近年の健康ブームにより健康増進あるいは体調維持に有用であるが、同時に苦味や渋みを有する成分が多く有用成分を高濃度で配合すると、苦味や渋みが強くなるため苦みや渋みを抑制する技術が求められています。各種シクロデキストリン(CyD)はこれらの有用成分を包接して呈味性を改善する場合が多く、緑茶に含有しているカテキン類を配合した渋みを抑制した飲料はCyDによる渋み抑制の使用例として代表的であります。

今回は苦味や渋みを有する食品成分としてウコン(秋ウコン)、キョウオウ(春ウコン)、高麗人参、紫ウコンガジュツ(紫ウコン)、イチョウ葉、霊芝のエキス及び緑茶ポリフェノールを例としてCyDによる呈味抑制効果について紹介いたします。
各CyD添加量はサンプルの液量に対して霊芝の場合が0.9%(w/v)、緑茶ポリフェノール(ポリフェノール含量:25%)の場合を1.0%、その他は0.8%とし官能検査法によりデキストリンと比較した場合の相対的な苦味や渋みの度合いで示した。
表に示しているように、いずれの場合もβ-CyDがこれらの食品成分の呈味を最も抑制し、α-CyDにが呈味抑制効果はほとんどなかった。
参考資料:ナノマテリアルシクロデキストリン
ここでは示していませんが、ブドウ種子やオリーブ種子中のポリフェノール類やニガウリエキスなどの苦味や渋みもβ-CyDを用いることで抑制できるとうい報告も存在しています。
このCyDによる呈味改善効果は高カテキン飲料だけではなく、各種野菜ジュース、乳性飲料、豆乳、各種健康飲食品などにも応用されています。特殊な使い方としてドレッシングにCyDを添加することで野菜のエグ味や辛味が抑制され、野菜サラダをおいしく食べることができることも知られています。
健康の維持に有用な成分であるが苦味や渋みが強い成分を高濃度で食品等に応用させたい方は、下記の問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい!!弊社にて検討試験を実施いたします。
http://www.cyding.jp/
引き続きシクロデキストリン(CyD)の役割について紹介したいと思います!

各種CyDによる苦味の抑制.png

シクロデキストリン(CyD)の役割第3弾! 「酸素、紫外線、水などで変質しやすい成分の安定化」

2019.8.29

シクロデキストリン(CyD)の役割第3弾!
「酸素、紫外線、水などで変質しやすい成分の安定化」
香辛料などの成分は酵素や紫外線あるいは水によって容易に変質する場合が多いことが知られています。
例としまして、ワサビ特有の香り成分であるアリルイソチオシアネート (AIT)は保存状態が悪い場合に酸素や水分あるいは紫外線により容易に変質してニンニクのような臭いを発します。
今回はAIT/β-シクロデキストリン (β-CyD)包接物粉末とAIT/デキストリン混合物粉末を室温にて放置した場合の経時的AIT残存率を測定した実験について紹介いたします。

8日後におきましてデキストリン混合物はAITの残存量が約50%に対してβCyD包接粉末は80%以上残存しており、14日後にはデキストリン混合物のAIT残存率は約30%に対してβCyD包接粉末は80%以上残存していることが報告されております。
参考資料:ナノマテリアルシクロデキストリン
またAITはβ-CyDと同様にα-CyDによっても安定化されることも知られています。
このCyDによる香料の安定化効果はワサビ、からし、生姜、ニンニクなどの練物やオロシ物の製造に利用されているだけでなく、これらの香辛料を含む各種調味料、スープ、エキス類、各種惣菜などにも利用されています。
不安定な香料の成分を安定化させたい方は、下記の問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい!!弊社にて検討試験を実施いたします。
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引き続きシクロデキストリン(CyD)の役割について紹介したいと思います!

変質しやすい成分の安定化グラフ.png

シクロデキストリン(CyD)の役割第2弾! 「吸湿しやすい成分の吸湿性の改善」

2019.8.22

シクロデキストリン(CyD)の役割第2弾!
「吸湿しやすい成分の吸湿性の改善」
粉末調味料や粉末茶、乾燥野菜など吸湿性の高い成分は吸湿することで味の変化などが起きてしまうような成分が多く存在しています。
CyDによる吸湿しやすい成分の吸湿性改善試験の代表的な例としまして、砂糖:水飴=6:4の組成で絶乾状態まで煮詰めることで作製したハードキャンディーと砂糖:水飴:20%CyD=56:33:11の組成で作製したハードキャンディーを25℃相対湿度65%環境下で吸湿性を比較した試験では、10日後におきまして砂糖と水飴のみで作製したハードキャンディーにおいて重量増加率が5%であったのに対してCyD含有のハードキャンディーにおいては2%未満の重量増加率であったことが報告されています。
参考資料:ナノマテリアルシクロデキストリン
このCyDの吸湿性改善効果を粉末調味料や粉末茶などに応用することで保存期間の延長や吸湿による味や香りの悪化を改善できるかもしれません。
吸湿性が高い成分の取り扱いにお困りの方や成分の吸湿性を改善したい方、弊社にて検討試験を実施いたします。
下記の問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい!!
http://www.cyding.jp/
引き続きシクロデキストリン(CyD)の役割について紹介したいと思います!

吸湿性防止効果グラフ.png

シクロデキストリン(CyD)の役割第1弾! 「香気物質などの揮散しやすい成分の安定化」

2019.8.8

シクロデキストリン(CyD)の役割第1弾!
「香気物質などの揮散しやすい成分の安定化」
飲料や食品の有する固有の香り、あるいは添加した香料は揮散しやすく不安定な成分が多く存在しています。
CyDの香気成分の安定化効果試験の代表的な例としまして、
オレンジ油とβ-CyDの包接物粉末の香気成分を40℃で8時間揮散させたときのオレンジ香気成分残存率は、デキストリンとオレンジ油混合物を40℃で8時間揮散させたときのオレンジ香気成分残存率と比べて、約3倍高いことが報告されております。
このCyDの安定化効果は飲料やエキス類などの調味料や惣菜類などの一般食品が有する固有の香りの安定化にも利用されています。
参考資料:ナノマテリアルシクロデキストリン
自分たちの身近な商品にもCyDが使用されているかもしれません。
※ちなみにCyDは「シクロデキストリン」以外にも「環状オリゴ糖」と記載されている場合もあります。
次回もシクロデキストリン(CyD)の役割について紹介したいと思います!

ニーマン・ピック病 C 型の薬を探せ:in vivo スクリーニングに適したゼブラフィッシュモデル

2018.9.24

ニーマン・ピック病 C (NPC) は、細胞のライソソームにコレステロールが蓄積し、神経症状や肝脾腫等を引き起こす難病である。近年、2-ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HP-β-CyD)が、NPC の各種症状を緩和する報告が次々と発表されており、米国では臨床試験も実施されている。しかし、さらなる医薬品候補化合物の探索は、依然として必要である。最近 Tseng らは、CRISPR/Cas9 システムを用いて、npc1-null 突然変異を有するゼブラフィッシュの作製に成功した。本モデルは NPC の症状をよく反映しており、NPC 治療薬の候補化合物を in vivo スクリーニングする際の強力な手段になるであろう。

 

参考論文

Modeling Niemann-Pick disease type C1 in zebrafish: a robust platform for in vivo screening of candidate therapeutic compounds.

Wei-Chia Tseng et al.

National Institutes of Health, Department of Health and Human Services, Bethesda, USA.

Dis Model Mech. 11. dmm034165 (2018).

スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンは、抗炎症活性のための粘膜付着型製剤として利用できる

2018.9.21

カラギーナン誘発性ウサギモデルに対するアムロジピンの抗炎症作用及びスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンの角膜浸透の影響を試験するために粘膜付着型眼球フィルムが調製された。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)眼球フィルムは、アムロジピンとβ-シクロデキストリン(BCD)、ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン(HPCD)、及びスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBCD)の複合体を形成したものを調整した。シクロデキストリンを含まないフィルムは、最大の膨潤および浸食を最大限に示した。薬物放出及び浸透の両方が高度に拡散制御されており、シクロデキストリンを含むまたは含まない他の製剤と比較して、溶解の増加に起因しておりSBCDで最高の改善が観察された。最も高い結合エネルギーおよび非晶質化の最大程度がSBCDフィルム製剤において確認された。インビトロにおけるアムロジピンの放出改善と眼透過性は、シクロデキストリン複合体のHPMCフィルム製剤によって確認され、SBCDが両方において最も優れていた。二成分系および三成分系の分子ドッキング試験では、アムロジピンとBCDとの結合エネルギーが、HBCDやSBCDと比較して最も低かった。急性炎症の徴候は、盲嚢のフィルム適用の2時間以内に緩和された。アムロジピン-HPMCフィルムにおけるスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンの存在は、眼の透過を有意に改善することができ、抗炎症活性のための粘膜付着型製剤として利用することができる。
参考論文
Drug-in-mucoadhesive type film for ocular anti-inflammatory potential of amlodipine: Effect of sulphobutyl-ether-beta-cyclodextrin on permeation and molecular docking characterization

Nanda A1, Sahoo RN1, Pramanik A1, Mohapatra R1, Pradhan SK2, Thirumurugan A3, Das D1, Mallick S4.
1 Department of Pharmaceutics, School of Pharmaceutical Sciences, Siksha O Anusandhan, (Deemed to be University), Bhubaneswar, Odisha, India.
2 Department of Bioinformatics, Orissa University of Agriculture and Technology, Bhubaneswar, Odisha, India.
3 Institute of Physics, Bhubaneswar, Odisha, India.
4 Department of Pharmaceutics, School of Pharmaceutical Sciences, Siksha O Anusandhan, (Deemed to be University), Bhubaneswar, Odisha, India.

Colloids Surf B Biointerfaces. 2018 Sep
Current Impact Factor of 3.997

シクロデキストリナーゼ

2018.9.14

シクロデキストリン合成酵素は、デンプンを分解・環化することによりシクロデキストリンを生成する、微生物から産生される酵素である。また、デンプンを十分に分解するため、ある微生物はオリゴ糖のα-1,4結合を分解するシクロデキストリナーゼを合成することができる。本研究では、Massilia timonae 由来のシクロデキストリナーゼをクローニングし、大腸菌に発現させることで、組替え型シクロデキストリナーゼを作製し、精製および特性を確認した。本シクロデキストリナーゼは、4量体を形成し(分子量:260kDa)、40℃、pH7.0の至適条件で存在する。また、45℃30分のインキュベーション後も安定であった。さらに、本酵素は、β-シクロデキストリンやマルトヘプタロースなどを加水分解し、グルコースやマルトースを産生した。なお、マルトデキストリンやデンプンよりもβ-シクロデキストリンに対して高い活性を示した。以上のように本研究により作製したシクロデキストリナーゼは、デンプンなどに対する新規加水分解酵素としての応用が期待される。

 

参考文献

This novel cyclodextrinase could be a promising alternative for the enzymatic hydrolysis of starch.

F. C. D. Santos, I. P.Barbosa-Tessmann.

Universidade Estadual de Maringá, Department of Biochemistry, Av. Colombo, 5790, 87020-900, Maringá, PR, Brazil.

Protein. Expr. Purif., doi: 10.1016/j.pep.2018.08.013.

Current Impact Factor of 1.338 (2017 Journal Citation Reports)

スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン及びアルギン酸プロピレングリコールがクロザピンの溶解度に及ぼす影響

2018.8.29

クロザピン(CLZ)は、統合失調症の治療に使用される非定型抗精神病薬であり、水への可溶性が不十分である(0.05mM)。本研究では、β-シクロデキストリン(CD)およびその誘導体がCLZの溶解度に及ぼす影響を調べた。 CLZの溶解度を測定して溶解度相図を作成し、水溶液中のCLZとスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(SBE-β-CD)間の相互作用をプロトンNMR及び2D-ROESY NMRにて観測した。さらに、各ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、プロピレングリコールアルギン酸(PGA)等を含む水溶性ポリマーとSBE-β-CDとのCLZの溶解性に対する相乗効果を調べた。結果は、CLZの溶解度はSBE-β-CD(15mM)溶液中において1w / v%PGAに対する溶解度が7.6mMであり、PGAを含まないCLZの溶解度のほぼ4倍であることを示した。対照的に、水溶液中の1w / v%PGAによるCLZの溶解度は、SBE-β-CD (15mM)溶液中のCLZの溶解度に対して1/3減少していた。 2D-ROESY NMRは、CLZ / SBE-β-CD / PGA三元複合体が形成されたことを示した。 PGAとSBE-β-CDの組み合わせはCLZの溶解性を増強することが判明した。
参考論文
Effect of sulfobutyl ether-β-cyclodextrin and propylene glycol alginate on the solubility of clozapine
Furuishi T1, Sekino K1, Gunji M1, Fukuzawa K1, Nagase H2, Endo T3, Ueda H1, Yonemochi E1.
1 Department of Physical Chemistry , School of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences, Hoshi University , 2-4-41 Ebara, Shinagawa-ku , Tokyo , 142-8501 , Japan.
2 Central Research Laboratories , School of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences, Hoshi University , 2-4-41 Ebara, Shinagawa-ku , Tokyo , 142-8501 , Japan.
3 School of Pharmacy, Tokyo University of Pharmacy and Life Sciences , 1432-1 Horinouchi , Hachioji , Tokyo 192-0392 , Japan.
Pharm Dev Technol. 2018 Aug 21
Current Impact Factor of 1.945

次世代のチオール化シクロデキストリンの粘膜付着型賦形剤応用

2018.8.28

チオール化シクロデキストリンは、ドラッグデリバリーシステムの分野において、粘膜付着型賦形剤として使用されている。筆者らは以前、ブロモ化を介してチオ尿素と反応させることで、シクロデキストリンのグルコースを開環することなくチオールを導入する方法を報告した。本研究では、同様の方法で合成したチオール化シクロデキストリンに加え、チオール基にメルカプトニコチン酸をジスルフィド結合により導入することでチオール基を保護したシクロデキストリン(チオール基保護シクロデキストリン)を合成した。チオール化シクロデキストリンおよびチオール基保護シクロデキストリンは、シクロデキストリン単独と比較して、粘膜付着性がそれぞれ、44.4倍および50.9倍に増大した。さらに細胞障害性を観察されず、アミラーゼ処理によるシクロデキストリンの分解も起こらなかった。以上のことから、チオール化シクロデキストリンおよびチオール基保護シクロデキストリンは、新規粘膜付着型賦形剤として応用が期待される。

 

参考文献

S-protected thiolated cyclodextrins as mucoadhesive oligomers for drug delivery

H. M. Asim et al

Center for Chemistry and Biomedicine, Department of Pharmaceutical Technology, Institute of Pharmacy, University of Innsbruck, Innrain 80/82, 6020 Innsbruck, Austria

J. Colloid. Interface Sci. 531, 261-268 (2018)

Current Impact Factor of 5.091 (2017 Journal Citation Reports)

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