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社員ブログ - サイディン - Page 11

STAFF BLOG

応答局面法によるβ-シクロデキストリンの植物機能性成分抽出法最適化

2018.6.12

シソ科植物のライムは、食品の保存期間を延長させるために使用されたり、また、抗酸化能を有する生理活性物質として知られている。本研究では、β-シクロデキストリンを利用して、最大限の抗酸化能を有するピュアなライム抽出物を得るための最適な条件を、応答局面法 (Response Surface Methodology) により測定した。ここで、応答局面法とは、可能な限り少ない測定データを用いて、最適解を求めるための数学・統計的組み合わせ手法であり、近年、食品の製造プロセスの最適化の研究などに適用されている。

応答局面法により算出した最適な抽出条件は、β-シクロデキストリン濃度:15mM、超音波時間:5.9分、温度:36.6℃であった。これらの条件において、ポリフェノールが189.3mg GAE(gallic acid equivalent)/mL、抗酸化活性物質14.84mg GAE/mLを得ることができた。さらに興味深いことに、β-シクロデキストリンを使って抽出された抗酸化物質は、メーラード反応による副産物の形成を阻害することが示された。本知見は、グリーンケミストリーの更なる発展に寄与する可能性がある。

 

参考文献

Optimization of β-cyclodextrin-based extraction of antioxidant and antibrowning activities from thyme leaves by response surface methodology

L. C. Favrea,b, C. Santosa, M. P. López-Fernándezb,c,d, M F. Mazzobrea,b, M. P. Bueraa,b

a Universidad de Buenos Aires, Facultad de Ciencias Exactas y Naturales, Departamentos de Industrias y Departamento de Química Orgánica, Intendente Güiraldes 2160,

Ciudad Universitaria, C1428EGA Buenos Aires, Argentina

b CONICET – Consejo Nacional de Investigaciones Científicas y Técnicas, Godoy Cruz 2290, C1425FQB Buenos Aires, Argentina

c Universidad de Buenos Aires, Facultad de Ciencias Exactas y Naturales, DBBE – Departamento de Biodiversidad y Biología Experimental, Intendente Güiraldes 2160,

Ciudad Universitaria, C1428EGA Buenos Aires, Argentina

d CONICET – Consejo Nacional de Investigaciones Científicas Técnicas, IBBEA – Instituto de Biodiversidad y Biología Experimental y Aplicada, Intendente Güiraldes 2160,

Ciudad Universitaria, C1428EGA Buenos Aires, Argentina

Food Chem., 265, (2018), (86-95).

Current Impact Factor of 4.529 (2017 Journal Citation Reports)

2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンは、オートファジー機能不全をレスキューすることで、アルツハイマー病治療薬としての有効利用が期待される

2018.6.11

オートファゴソームの蓄積によるマクロオートファジー/オートファジーの異常は、アルツハイマー病(AD)の初期の神経病理学的所見として特徴的である。

プレセニリン1機能の喪失は、リソソーム機能を損ない、オートファジーを抑制すると報告されているが、ADにおけるオートファジー機能不全につながる詳細なメカニズムは不明である。

エンドソーム-リソソーム異常およびオートファジーの減弱を伴うADやニーマン・ピック病C型の病理学的特徴が類似していることから、これらにはコレステロール蓄積が共に関連しているものと考えられる。

AD モデルマウスを用いた検討から、脳内のコレステロールレベルが高いと、オートファゴソームの形成を亢進するが、エンドソーム-リソソーム小胞との融合を生じさせないことが示された。

これらの組み合わせは、Aβおよび内在性MAPT(微小管関連タンパク質タウ)の分解を抑制し、オートファジー依存的なAβの分泌を促進した。

ADモデルマウスにおけるAβの蓄積によって惹起された酸化ストレスは、コレステロール依存的なミトコンドリアグルタチオン/mGSHの枯渇を引き起こすことで、オートファジーを誘発した。

GSHエチルエステル添加によりミトコンドリアのGSHを回復させると、Aβによって惹起されたATG4Bの切断活性を酸化的な抑制の抑制により、オートファゴソームの合成を阻害した。

さらに、エンドソーム-リソソーム内にコレステロールを負荷すると、その融合能に影響を及ぼすRAB7AおよびSNAP受容体(SNARE)のレベルと膜分布を変化させた。

これらの結果から、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを用いたin vivo治療は、これらの変化を完全にレスキューすることから、AD 治療薬としての有効利用が期待できる。

参考論文

Cholesterol impairs autophagy-mediated clearance of amyloid beta while promoting its secretion.

Elisabet Barbero-Camps et al.

Department of Cell Death and Proliferation, Institut d’Investigacions Biomediques de Barcelona, Consejo Superior de Investigaciones Cientıficas (CSIC), Institut d’Investigacions Biomediques August Pi i Sunyer (IDIBAPS), Barcelona, Spain

Autophagy, Jun 4:1-26 (2018).

Current Impact Factor of 8.593 (2017 Journal Citation Reports)

シクロデキストリンポリロタキサンを用いて、高寿命のリチウムイオン電池の開発に成功

2018.6.8

リチウムイオン電池において、ケイ素 (Si) を電池電極の負極に用いると、電池容量が飛躍的に増大する。しかし、Si は充放電を行うと、体積が数倍に膨張・収縮し、これを繰り返すと破断され、電池容量が著しく低下してしまう。最近 Choi らは、Si 粒子を接合するバインダー高分子に、シクロデキストリンポリロタキサンを組み込むことで、破断しにくい負極を構築することに成功した。通常用いられるポリアクリル酸をバインダーとした場合、50 回の充放電で初期容量の 48% まで電池容量が低下したのに対し、5% のポリロタキサンで架橋されたポリアクリル酸を用いると、370 回の充放電後も初期容量の 85% が維持されていた。これは、東京大学の伊藤耕三教授らが発明された環動ゲルの理論に基づいたものであり、Si 負極の体積が膨張しても、ポリロタキサン中のシクロデキストリンがスライドリングし、応力を分散させたことに起因する (滑車効果)。本知見は、長寿命のリチウムイオンを開発する上で、極めて有益である。

 

参考論文

Highly elastic binders integrating polyrotaxanes for silicon microparticle anodes in lithium ion batteries.

Sunghun Choi et al.

Graduate School of Energy, Environment, Water, and Sustainability (EEWS) and KAIST Institute (KI) NanoCentury, Korea Advanced Institute of Science and Technology (KAIST), Daejeon 34141, Republic of Korea.

Science, 357, 279-283 (2017).

Current Impact Factor of 37.205 (2017 Journal Citation Reports)

水やオレンジジュースからビスフェノール類を固層抽出法の吸着する新たな微孔室のβシクロデキストリンポリマー

2018.6.6

新たな微孔室のβシクロデキストリンポリマー(MP-CDP)をビスフェノールF (BPF)、ビスフェノールA (BPA)、ビスフェノールAF (BPAF)の固層抽出の吸着剤として作製した。微孔室のβシクロデキストリンポリマー(MP-CDP)をFourier変換赤外分光法、13C磁気共鳴法、熱重量分析法、走査型電子顕微鏡法や窒素吸着法により特性を明らかにした。その結果MP-CDPはミクロンサイズの粒子径で微孔室構造を持ち、高いBET法表面積を有し、高い生産性が期待できた。吸着テストにおいてMP-CDPはビスフェノールに対して高い吸着能力や速い結合動態を示した。さらにMP-CDPはビスフェノールの固層抽出として高い抽出効率、高い濃縮係数、良い再利用性や優れたバッチ間再現性を示した。MP-CDPを元として固層HPLC-UV法が開発され、水やオレンジジュースから三種のビスフェノール検出への適用に成功した。検出限界や定量限界はビスフェノール類においては0.15ng/mlと0.5ng/mlであった。新たなMP-CDPは環境水や飲料などのビスフェノールを検知する固層吸着法の吸着剤として利用することが出来るかもしれない。
参考論文
Novel microporous β-cyclodextrin polymer as sorbent for solid-phase extraction of bisphenols in water samples and orange juice.
Li Y1, Lu P1, Cheng J1, Zhu X1, Guo W1, Liu L1, Wang Q1, He C2, Liu S3.
1 School of Chemistry and Chemical Engineering, Hubei Key Laboratory of Biomass Fibers and Eco-dyeing and Finishing, Wuhan Textile University, 1 Textile Road, Wuhan 430073, China.
2 School of Chemistry and Chemical Engineering, Hubei Key Laboratory of Biomass Fibers and Eco-dyeing and Finishing, Wuhan Textile University, 1 Textile Road, Wuhan 430073, China. Electronic address: chiyanghe@wtu.edu.cn.
3 Department of Chemistry and Biochemistry, University of Oklahoma, 101 Stephenson Parkway, Norman, OK 73019, United States.
Talanta Volume 187, 1 September 2018, Pages 207-215
Current Impact Factor of 4.162

抗がん剤および感光剤デリバリー用ナノキャリアとしてのシクロデキストリン/デンドリマー/酸化グラフェン結合体

2018.6.5

カーボンを基盤とするナノキャリアは、ドラッグデリバリーシステムにおいて汎用されている。中でも、酸化グラフェンは二次元構造を有し、表面面積が広いため、薬物負荷能力が高いことが報告されている。本論文では、更なる機能性付与のため酸化グラフェン(GO)のβ-シクロデキストリン(CD)を結合させたGO-CDおよびGO-CDにデンドリマー(DEN)を結合させたGO-CD-DENを調製した。なお、抗がん剤としてドキソルビシン(DOX)とカンプトテシン(CPT)、感光剤としてプロトポルフィンIX(PpIX)を用いた。

GO-CDのDOX負荷量はGO単独と比較して1.2倍高い値を示した。これは、結合したCDがDOXを包接したためと考えられる。一方、GO-CD-DENの薬物負荷量は、DOX<PpIX<CPTの順に増大した。PpIXやCPTがπ共役分子であり、GOとより強固なπ-πスタッキングを形成したことに起因すると考えられる。また、GO-CDからのDOXの放出は酸性pHで増大した。さらに、GO-CDおよびGO-CD-DENと複合体を形成したDOX、CPT、PpIXの細胞障害性は、GO単独との複合体と比較して有意に増大した。

以上のように、GO-CDおよびGO-CD-DENナノキャリアは、抗がん剤や感光剤デリバリー用キャリアとしての可能性が示された。筆者らは今後、ターゲティング用リガンドを導入し、より有用なキャリアの構築を目指している。

 

参考文献

Cyclodextrin- and dendrimer-conjugated graphene oxide as a nanocarrier for the delivery of selected chemotherapeutic and photosensitizing agents

A. Siriviriyanuna, Y. J. Tsaib, S. H. Voonc, S. F. Kiewd, T. Imaea,b, L. V. Kiewc, C. Y. Looic, W. F. Wonge, H. B. Leed, L. Y. Chungd

a Graduate Institute of Applied Science and Technology, National Taiwan University of Science and Technology, 43 Section 4, Keelung Road, Taipei 10607, Taiwan, ROC

b Department of Chemical Engineering, National Taiwan University of Science and Technology, 43 Section 4, Keelung Road, Taipei 10607, Taiwan, ROC

c Department of Pharmacology, Faculty of Medicine, University of Malaya, 50603 Kuala Lumpur, Malaysia

d Department of Pharmacy, Faculty of Medicine, University of Malaya, 50603 Kuala Lumpur, Malaysia

e Department of Medical Microbiology, Faculty of Medicine, University of Malaya, 50603 Kuala Lumpur, Malaysia

Mater. Sci. Eng. C, 89, (2018), (307-315).

Current Impact Factor of 4.164 (2017 Journal Citation Reports)

配位高分子ゲルを用いたホスト-ゲスト相互作用の段階的制御

2018.6.4

人工的なシステムでは、生物学的プロセスに見られるようなホスト-ゲスト相互作用の正確な制御は困難である。本論文では、ホスト分子としての配位ポリマーと刺激としての温度による平衡状態系の熱力学的特性を利用することにより、マグネシウム配位高分子(ホスト)からのシクロデキストリン(ゲスト)の段階的放出やホストへの取込みが制御可能であることが見出された。人工のホスト-ゲスト相互作用に対して温度は精密な刺激とならないため、本システムは温度によって制御可能な自然なホスト-ゲスト相互作用を明瞭に示すプロトタイプである。本配位高分子ホストシステムは、ヒドロゲルマトリックスに組み込まれると、擬固体状態の中で温度変化に応答してα-シクロデキストリンの段階的放出を容易にする微小環境を提供する。このように本研究は、シクロデキストリンなどの分光学的にサイレントな分子の熱感受性放出制御やモニタリングへの道を開く可能性を示すものd。

参考論文

Stepwise control of host-guest interaction using a coordination polymer gel.

Mukhopadhyay RD 1, Das G 1, Ajayaghosh A 2.

1 Photosciences and Photonics Section, Chemical Sciences and Technology Division and Academy of Scientific and Innovative Research (AcSIR), CSIR-National Institute for Interdisciplinary Science and Technology (CSIR-NIIST), Thiruvananthapuram, 695019, India.

2 Photosciences and Photonics Section, Chemical Sciences and Technology Division and Academy of Scientific and Innovative Research (AcSIR), CSIR-National Institute for Interdisciplinary Science and Technology (CSIR-NIIST), Thiruvananthapuram, 695019, India.

Nature Commun., 9(1), 1987 (2018).

Current Impact Factor of 12.124 ((2017 Journal Citation Reports)

SBE も負けていられない!! アミロイドーシス治療薬としてのスルフォブチル-β-シクロデキストリンの可能性

2018.6.1

近年、シクロデキストリン自体が、がん、アミロイドーシス、ライソソーム病などの治療薬として有用である知見が見出され、世界中で活発に研究が行われている。その主役はヒドロキシプロピルβシクロデキストリンであることが多かったが、最近 Meenakshi らは、そのライバルともいえるスルフォブチルβシクロデキストリンが、アミロイド線維形成阻害効果を示し、アミロイドーシスの治療薬として有用である可能性を見出した。スルフォブチルβシクロデキストリンは、モデルタンパク質として用いたインスリンやリゾチームの βシート形成を抑制し、アミロイド線維形成を阻害した。さらに、既に形成されたアミロイド線維を溶解することも可能であった。このように、スルフォブチルβシクロデキストリンは、新たな医薬品候補化合物になり得る可能性が示唆された。

 

参考論文

Sulfobutylether-β-Cyclodextrin for Inhibition and Rupture of Amyloid Fibrils.

Meenakshi N. Shinde et al.

Radiation and Photochemistry Division, Bhabha Atomic Research Centre, India

J. Phys. Chem. C, 121, 20057-20065 (2017).

Current Impact Factor of 4.536 (2017 Journal Citation Reports)

2ヒドロキシプロピルβシクロデキストリンとリドカインの包接複合体は口腔の扁平上皮細胞増殖や細胞生存率に影響を与える

2018.5.30

扁平上皮がんは口腔に影響を与える悪性腫瘍である。リドカインは様々な細胞種で抗増殖性や細胞障害活性を示す。急速な分散は限定的な問題であるが、シクロデキストリンとの複合体は薬理学的な特性を改善し薬物の放出を改善する。今回の研究はリドカインとヒドロキシプロピルβシクロデキストリンの複合体が人の扁平上皮がん細胞のSCC9細胞やSCC25細胞の細胞生存率や増殖に与える影響を検討した。
複合体の形成を示差走査熱量測定や走査型電子顕微鏡によって確認した。SCC9やSCC25細胞にリドカインとヒドロキシプロピルβシクロデキストリンを処置し細胞増殖性や抗増殖性の活性を検討した。
示差走査熱量測定や走査型電子顕微鏡によってホストゲスト相互作用を確認した。リドカインのみではSCC9細胞の生存率を83%に下げたがリドカインとヒドロキシプロピルβシクロデキストリンの複合体は生存率を63%に下げた。SCC25細胞に置いてはリドカインのみでは細胞生存率を71%に下げたがリドカインとヒドロキシプロピルβシクロデキストリンの複合体は生存率を44%に下げた。リドカインはSCC9細胞の増殖を39.5%SCC25細胞の増殖を23.7%にそれぞれ下げた。リドカインとヒドロキシプロピルβシクロデキストリンの複合体はどちらの細胞株にも細胞障害性を示した。
ヒドロキシプロピルβシクロデキストリンはin vitroにおいて人扁平上皮がんに対するリドカインの細胞毒性効果を増強させることが出来る。
参考論文
Effects of lidocaine and the inclusion complex with 2-hydroxypropyl-β-cyclodextrin on cell viability and proliferation of oral squamous cell carcinoma.
Ferreira LEN1, Antunes GBM2, Muniz BV2, Burga-Sánchez J2, de Melo NFS3, Groppo FC2, Fraceto LF4, Volpato MC2.
1 Department Foundation Sciences, School of Dental Medicine, East Carolina University, Greenville, NC, USA.
2 Department of Physiological Sciences, Piracicaba Dental School, University of Campinas (UNICAMP), Piracicaba, SP, Brazil.
3 Department of Immunology and Molecular Biology, São Leopoldo Mandic Research Center, Campinas, SP, Brazil.
4 Laboratory of Environmental Nanotechnology, Institute of Science and Technology of Sorocaba, São Paulo State University (UNESP), Sorocaba, SP, Brazil.
J Pharm Pharmacol. 2018 Apr 6. doi: 10.1111/jphp.12917.
Current Impact Factor of 2.405

特異的に糖ペプチドを捕捉するシクロデキストリン-グルタミン酸自己会合型分子チューブの開発

2018.5.29

糖ペプチドは、バイオマーカーの探索や病気の進行や原因を見識する重要な指標である。しかしながら、糖ペプチドは糖化されていないペプチドの2~5%であり、同定が非常に困難である。

そこで、筆者らは、シクロデキストリン、グルタミン酸およびポリエチレングリコールを用いて、自己会合型の分子チューブ(glu-CDMT)を開発した。糖ペプチドを選択的に捕捉するためには、表面の親水性が重要である。glu-CDMTは、シクロデキストリンがロタキサン状に繋がっているため、表面は広範囲で親水性を示す。実際、glu-CDMT は、多くの糖ペプチドを捕捉可能であり、その選択性は、BSA(糖化されていないタンパク質)と比較してHRP(糖タンパク質)に対し、10000倍であった。また、glu-CDMTは、グルタミン酸が導入されていることにより、高い安定性および酸、アルカリ耐性を示した。

以上の特性から、glu-CDMTは、糖ペプチドの解析の有用なツールになり得る。

 

参考文献

Self-assembling glutamate functionalized cyclodextrin molecular tube for specific enrichment of N-linked glycopeptides

H. Zhenga, X. Lib, Q. Jiaa, c

a College of Chemistry, Jilin University, Changchun 130012, China

b China-Japan Hospital of Jilin University, Changchun 130033, China

c Key Laboratory for Molecular Enzymology and Engineering of Ministry of Education, School of Life Sciences, Jilin University, Changchun 130012, China

ACS Appl. Mater. Interfaces, Just Accepted Manuscript (2018), DOI: 10.1021/acsami.8b01445

Current Impact Factor of 7.504 (2017 Journal Citation Reports)

機械的強度と生体適合性を備えた迅速な自己修復性ホストゲスト超分子ヒドロゲル

2018.5.28

高い機械的強度と生体適合性を有するハイドロゲルの開発が期待されている。本研究では、生体適合性、スライシング耐性、自己修復性を有するハイドロゲルの調製を可能にする二種類の相互作用を見出した。その一つは、3アームホストーゲスト超分子(HGSMs)を形成するためのホスト分子(isocyanatoethyl acrylate-modified β-cyclodextrin, β-CD-AOI2) とゲスト分子 (2-(2-(2-(Adamantyl-1-oxy)ethoxy)ethoxy) ethoxy)ethanol acrylate, A-TEG-Ad) 間の相互作用である。もう一つは UV重合によって得られるハイドロゲル中のHGSMs間の共有結合である。このホストーゲスト相互作用は、ハイドロゲルの迅速な自己修復性を可能にした。すなわち、ホストーゲスト相互作用を分断した表面同士を合わせると、相互の再認識が速やかに起こり、迅速な面の修復がなされた。得られたスマートハイドロゲルは、軟組織修復用のバイオマテリアルとして有用である可能性が示された。

参考文献

A Novel Rapidly Self-healing Host-guest Supramolecular Hydrogel
with High Mechanical Strength and Excellent Biocompatibility

Zhifang Wang et al., 

National Engineering Research Centre for Tissue Restoration and Reconstruction and School of Material Science and Engineering South China University of Technology, Guangzhou 510640 (China)

Angewandte Chemie International Edition, in press (2018).

First published: 18 May 2018 

https://doi.org/10.1002/anie.201804400

Current Impact Factor of 11.994 

1 7 8 9 10 11 12