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SBE-β-CDが抗真菌薬のポサコナゾールのバイオアベイラビリティを改善

2018.8.21

ポサコナゾール(PCZ)は、トリアゾール系の経口抗真菌薬で、作用機序は他のアゾール系と同じくエルゴステロール合成阻害であるが、他のトリアゾール系薬に比較して、より幅広い抗真菌活性を有する。特筆すべきは、他のアゾール系抗真菌薬が無効な接合菌に対しても抗真菌活性を有している点であり、白血病患者の化学療法中の好中球減少時の侵襲性深在性真菌症の予防投与などに有効であるとされる。しかしながら、溶解度が著しく低いことやバイオアベイラビリティが低いことが問題となっている。そこで、本研究では、PCZをスルホブチルエーテルβシクロデキストリン(SBE-β-CD)により包接させることで上記問題点の改善を目指した。PCZ単独およびPCZ/ SBE-β-CD複合体のCmax値は、それぞれ0.565±0.102 μg/mL および1.12±0.091 μg/mL、AUC0t 値は、12.2±2.5 μg・h/mLおよび 19.9±2.5 μg・h/mL、 AUC0 値は、16.4±3.2 μg・h/mL および 25.0±3.5 μg・h/mL であった。

 以上のことから、SBE-β-CDは、PCZを包接することにより、PCZのバイオアベイラビリティを顕著に改善した。

 

参考文献

In vitro and in vivo evaluation of a posaconazole‐sulfobutyl ether‐β‐cyclodextrin inclusion complex

M. Wang1,2, J. Jiang2, Y. Cai2, M. Zhao2, Q. Wu1, Y. Cui1, C. Zhao2

1 Lizhu Group Lizhu Medicinal Research Institute, Zhuhai, Guangdong Province, China.

2 School of Pharmacy, Shenyang Pharmaceutical University, Shenyang, Liaoning Province, China.

Biomed. Chromatogr. doi: 10.1002/bmc.4364. (2018)

Current Impact Factor of 1.688 (2017 Journal Citation Reports)