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ポリシクロデキストリンにより架橋された自己修復超分子ハイドロゲル

2018.5.22

筆者らは、ポリβ-シクロデキストリン(PCD)、アダマンタン(Ad)およびアクリルアミド(AAc)を用いて、新規超分子ハイドロゲル(PCD-Ad ハイドロゲル)を調製した。本PCD-Ad ハイドロゲルは、PCDとAdのホスト-ゲスト相互作用を利用し架橋することで、自己修復能および形状記憶能を有する。

実際、本PCD-Ad ハイドロゲルの自己修復能は、70℃、湿潤条件で、120分後に70%に到達した。この値は、過去の報告でポリマー化していないCDとAdにより調製されたハイドロゲルの値(~45%)より高かった。また、本PCD-Ad ハイドロゲルにFe3+を添加することにより、Fe3+とAAcのカルボキシ基が可逆的な架橋を形成し、形状記憶能を示した。

以上のように、PCD-Ad ハイドロゲルは、自己修復能および形状記憶能を有する新規超分子ハイドロゲルであることが示された。今後PCD-Ad ハイドロゲルは、自己修復コーティング材料やソフトアクチェーター材料としての応用が期待される。

参考論文

Self-healable tough supramolecular hydrogels crosslinked by poly-cyclodextrin through host-guest interaction.

T. Caia, S. Huoa, T. Wanga, W. Suna, Z. Tonga,b

Carbohydr. Polym., 193, (2018), (54-61).

Current Impact Factor of 4.811 (2017 Journal Citation Reports)