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ヒドロキシプロピル化β-シクロデキストリン(HP-β-CyD)の化粧品への応用第2弾! 「ヒドロキシプロピル化β-シクロデキストリンのフレグランス成分の安定化効果」

2019.9.17

ヒドロキシプロピル化β-シクロデキストリン(HP-β-CyD)の化粧品への応用第2弾!
「ヒドロキシプロピル化β-シクロデキストリンのフレグランス成分の安定化効果」
 以前のシクロデキストリン(CyD)の役割第1弾!「香気物質などの揮散しやすい成分の安定化」でも紹介を行ないましたが、化粧品においても香気成分(フレグランス)は主要な配合成分であり、その安定化は非常に重要なテーマでもあります。特に、テルペン類などの揮発性の強い香気成分の安定化は必要性が高いといわれております。
HP-β-CyDを配合したシトラス系フレグランスの36℃での香り持続効果(グラフ1)及び化粧品や医薬部外品の香料としてかなりの量が使用されているメントールとHP-β-CyD包接物溶液の60℃での安定化(徐放)効果(グラフ2)、オイゲノール(Eugenol)含有香料の光に対する安定化効果(表1)について紹介いたします。
HP-β-CyDを配合したシトラス系フレグランスの人の体温に近い36℃での香り持続効果について、無添加は1時間後には香りの残存量が50%と半分になっていたのに対してHP-β-CyDを配合したものは香り残存率として75%以上を示した。また無添加のものは時間経過とともに香り残存率は徐々に減少し3時間後には25%を下回っていた。しかしながら、HP-β-CyDを配合したものは時間経過とともに少量の残存率の減少は確認されたが、3時間後においても香りの残存率は75%以上であった。(グラフ1)
メントールとHP-β-CyD包接物溶液の60℃での安定化(徐放)効果についてメントールはコロンや腋臭防止スプレーなどの香気成分によく利用されており、グラフ2に示しているように90時間という長時間にわたって徐々に香気成分を放出した。(グラフ2)
オイゲノール(Eugenol)含有香料の光に対する安定化効果について、HP-β-CyDを添加することで濃度依存的にオイゲノール香料の褐変を防止した。(表1)
HP-β-CyDは香料成分の安定化効果を持っており長時間にわたって徐々に香気成分を放出することから、持続性の高いフレグランス製品を開発することができます。また、天然抽出香料や各種色素の褐変や退色防止あるいは生理活性物質の酸化や変質防止に効果があるといわれています。
化粧品分野の香料の分野においてもHP-β-CyDは多く利用されており、今後さらなる発展が期待できるかもしれません。化粧品への香料の添加に関して徐放化もしくは酸化や変色をしてしまう成分等をお持ちの方は下記の問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい!!弊社にて検討試験を実施いたします。
http://www.cyding.jp/
今回はHP-β-CyDのフレグランスの安定化について紹介させていただきました。引き続きシクロデキストリン(CyD)の役割について紹介したいと思います!

HP-β-CyDによるシトラス系香料の香り持続性.png

HP-β-CyDによるメントールの安定化.png

HP-β-CyDによるオイゲノール香料の褐変防止.png