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ヒドロキシプロピル化β-シクロデキストリン(HP-β-CyD)の化粧品への応用第1弾! 「ヒドロキシプロピル化β-シクロデキストリンの保湿効果」

2019.9.12

ヒドロキシプロピル化β-シクロデキストリン(HP-β-CyD)の化粧品への応用第1弾!
「ヒドロキシプロピル化β-シクロデキストリンの保湿効果」
 一般にシクロデキストリン(CyD)は疎水性物質を分子内に取り込み包接化合物を形成することがよく知られています。代表的な化合物としてコレステロールなどのステロイド類、フラボノイドやタンニンなどの芳香族化合物、鎖状や環状の炭化水素類、脂肪酸類、さらには油類やアルコール類、一部のアミノ酸などはCyDと包接物を形成します。これらの化合物は化粧品分野においても重要な配合素材です。科学的に天然体(α、β、γ)CyDはおおむね水に対する溶解度が低く、化粧品でよく使用されるエタノールにはほとんど溶けない。特に包接物を形成するゲスト分子の数が他のα-CyDやγ-CyDに比べて圧倒的に多いβ-CyDの水への溶解度は2%以下であり化粧品や医薬部外品への応用には技術上の制約があった。β-CyD分子中の主にC2位をヒドロキシプロピル(HP)化したHP-β-CyDは水100 gに対して100 g以上溶解するばかりでなく、コロンなどに用いられる含水エタノール中でもかなりの高い溶解度を示し、化粧品素材として優れた特性を有するCyD誘導体といえます。
化粧品分野でCyD誘導体を利用する場合、包接能以外で最も重要な機能は保湿性と考えられます。
10%(w/v)に調整した各保湿剤を25℃の室温に48時間放置した後の水分保持力を水と比較したデータを紹介いたします。
HP-β-CyD、グリセリン、1,3-ブチレングリコールと水との比較を行なっております。その結果HP-β-CyDは一般に保湿成分として化粧品に用いられているグリセリンよりも高い保湿性を有していることが報告されています。この特性を活かし、人の皮膚に塗布されたときに揮発する水分を補足保持し潤いを与えることができますが、グリセリンは安価な物質なので、保湿機能だけを利用したHP-β-CyDの化粧品への利用は今のところ行なわれていません。しかしながらHP-β-CyDは高い溶解性と包接機能を有していますのでその機能を利用したくさんの化粧品が開発されています。
化粧品分野にもCyDが多く利用されており、今後さらなる発展が期待できるかもしれません。化粧品に添加したい成分等をお持ちの方は下記の問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい!!弊社にて検討試験を実施いたします。
http://www.cyding.jp/
今回はCyDの化粧品への応用について紹介させていただきました。引き続きシクロデキストリン(CyD)の役割について紹介したいと思います!

HP-β-CyDの保湿性.png