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シクロデキストリン(CyD)の包接化現象とは?!

2021.7.15

こんにちは。副社長の石橋です。
本日はCyDの特徴である包接作用について紹介いたします。

 

CyDは底のないバケツのような構造を有しており、外部は親水性を示し内部は疎水性を示す極めて特異的な物質です。

 

CyDは疎水性の空洞内(内側)に色々な成分(分子)を包み込むように取り込みます。この作用を「包接」といい内部に何らかの分子を取り込んだ状態のCyDを「包接体」と呼びます。

この包接体を形成するという特性を持っているので、CyDは様々な産業分野で利用されています!

 

包接化現象.png

このCyDの包接化現象を利用すること(包接作用)によって様々な機能性が生まれてきます。

不安定な物質を安定化させる「安定化」、香料などの成分を徐々に放出する「徐放化」、有効成分を包接化することで分子間力を断ち切り、分子レベルで効果を発揮できるようにし、有用成分の使用量を軽減する「バイオアベイラビリティの向上」、嫌な臭い、味などを改善する「マスキング」、水に溶けにくい物質を包接化し、水に溶解させる「可溶化」、気体や液体を安定な粉末にして、利用しやすくする「粉末化」、吸湿性の高い物質を包接化して、吸湿性及び潮解性を防止する「吸湿性防止」、油溶性物質を包接化し、汚れ成分を除去する「洗浄効果」、粘度の高い物質を分子レベルで包接化することで分子間力を断ち切り、粘度を下げる「粘度調整」といった機能を示すことが出来ます。

 

包接作用により発揮される機能.png 

 

またこの包接化現象はどんなものでも包接化するのではなく、CyDの種類によって「包接化されやすい分子」と「包接化されにくい分子」がありこの機能はCyDの分子認識能と呼ばれており、CyDの種類を選んであげることで、ある分子(成分)特異的に包接作用を利用することが出来ます。

 

サイディンでは商品などに利用したい分子(成分)に最適なCyDの種類や濃度を選定する受託も行なっています。

最適なCyDの選定に関しては25,000円~50,000円といったリーズナブルな価格で検討可能です。※CyDはどんな分子(成分)でも包接できるということではないので検討の結果CyDと相性が悪く包接出来ない場合もあります。

 

今後もシクロデキストリンの機能についてやサイディンでの日常について更新してい

きますので、どうぞよろしくお願いします!

 

【問い合わせ先】

 

株式会社サイディン

 

Email:cyd@cyding.jp

 

TEL:096-371-4862

参考:食品開発者のためのシクロデキストリン入門