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シクロデキストリン(CyD)による臭気のコントロール(第一弾)!

2021.8.12

こんにちは。副社長の石橋です。

今回はCyDによるニンニクの無臭化について紹介したいと思います。

 

にんにくの脱臭方法としては、ニンニクの鱗茎を水または油などで加熱する方法や、生ニンニクの断片を食用油に浸す方法、固形油脂や甘草などと混合する方法が知られています。

しかしながらこれらの方法は、加熱によりニンニクの栄養素を消失、破壊してしまう。また、脱臭ができても経口摂取した後、腸に到達する前にニンニクの臭い成分の硫化アリル類が分解して、口臭や体からニンニク臭が発生することがあります。

 そこで、圧搾ニンニク溶液中のニンニク臭発生酵素(硫化アリル分解酵素:アリナーゼ)のの失活温度下で食用油と混合し、所定期間保冷して硫化アリル分解酵素の分離を行なうことで、ニンニク臭を脱臭したニンニク液を取り出す方法も提案されている。

しかし、この脱臭ニンニクの製法で製造されたニンニク液は、ニンニク臭のする口臭や体臭が改善されても、ニンニク液そのものを嫌う人には、この脱臭処理ニンニク液を提供できず、ニンニクのもつ優れた効果や味を十分に体験できないという課題が残されています。

そこで、ニンニクの栄養素を極力壊すことなく、摂取後も臭いがしないとともに、摂取前であってもニンニク臭がきわめて検知しにくい消臭方法として、CyDによる検討が行なわれました。

1. バイアル瓶(100 mL)に、ニンニク粉末(0.1 g)と水(10 mL)を入れ、CyDを添加し密閉

2. 1時間後、空気10 mLを注入し、入れ替わった空気を嗅ぐ

3. 臭い強度(Sensory score):5=強、1=弱にて評価

 

ニンニク臭グラフ.png 

その結果、α-CyD、β-CyD、γ-CyDの中でα-CyDがもっとも臭いを抑制しており、α-CyDとγ-CyDを混合することでさらに臭いが抑制できることが判明しました。

  

CyDを利用することでニンニクの嫌な臭いを抑制し、さらに栄養素を損なうことなく食品に利用できるのではないでしょうか。

 

今後もシクロデキストリンの機能についてやサイディンでの日常について更新してい

きますので、どうぞよろしくお願いします!

 

【問い合わせ先】

 

株式会社サイディン

 

Email:cyd@cyding.jp

 

TEL:096-371-4862

参考:食品開発者のためのシクロデキストリン入門