ロタキサンやポリロタキサン中のシクロデキストリンは、軸分子沿ってスライドリングできたり、回転できたりするため、ロタキサンやポリロタキサンを用いた機能性トポロジカル素材の開発が活発に行われている。最近 Zhang らは、α–シクロデキストリン 2 分子からなる擬ロタキサンの両末端を 2-formylphenylboronic acid でキャップし、[3]ロタキサンを one-pot で得た。興味深いことに、キャップ部位のボロン酸は、隣接する α–シクロデキストリンとボロン酸エステルを形成し、α–シクロデキストリンの動きを止めた。一方で、ボロン酸エステルを切断する化学物質を添加すると、α–シクロデキストリンが可動となった。すなわち、ロタキサン中のシクロデキストリンの動きを on-off 制御することに成功した。本技術は、分子マシンや分子スイッチ等を構築する上で有益であろう。
参考論文
Cyclodextrin Rotaxane with Switchable Pirouetting.
Qi-Wei Zhang et al.
Department of Chemistry and Biochemistry, University of Notre Dame, USA
Org. Lett., 20, 2096-2099 (2018).