ニーマン・ピック病 C 型 (NPC) は、細胞のライソソームにコレステロールが蓄積し、神経症状や肝脾腫等を引き起こす難病である。近年、2-ヒドロキシプロピル–β–シクロデキストリン(HP-β-CyD)が、NPC の各種症状を緩和する報告が次々と発表されており、米国では臨床試験も実施されている。しかし、さらなる医薬品候補化合物の探索は、依然として必要である。最近 Tseng らは、CRISPR/Cas9 システムを用いて、npc1-null 突然変異を有するゼブラフィッシュの作製に成功した。本モデルは NPC の症状をよく反映しており、NPC 治療薬の候補化合物を in vivo スクリーニングする際の強力な手段になるであろう。
参考論文
Modeling Niemann-Pick disease type C1 in zebrafish: a robust platform for in vivo screening of candidate therapeutic compounds.
Wei-Chia Tseng et al.
National Institutes of Health, Department of Health and Human Services, Bethesda, USA.
Dis Model Mech. 11. dmm034165 (2018).