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特異的に糖ペプチドを捕捉するシクロデキストリン-グルタミン酸自己会合型分子チューブの開発

2018.5.29

糖ペプチドは、バイオマーカーの探索や病気の進行や原因を見識する重要な指標である。しかしながら、糖ペプチドは糖化されていないペプチドの2~5%であり、同定が非常に困難である。

そこで、筆者らは、シクロデキストリン、グルタミン酸およびポリエチレングリコールを用いて、自己会合型の分子チューブ(glu-CDMT)を開発した。糖ペプチドを選択的に捕捉するためには、表面の親水性が重要である。glu-CDMTは、シクロデキストリンがロタキサン状に繋がっているため、表面は広範囲で親水性を示す。実際、glu-CDMT は、多くの糖ペプチドを捕捉可能であり、その選択性は、BSA(糖化されていないタンパク質)と比較してHRP(糖タンパク質)に対し、10000倍であった。また、glu-CDMTは、グルタミン酸が導入されていることにより、高い安定性および酸、アルカリ耐性を示した。

以上の特性から、glu-CDMTは、糖ペプチドの解析の有用なツールになり得る。

 

参考文献

Self-assembling glutamate functionalized cyclodextrin molecular tube for specific enrichment of N-linked glycopeptides

H. Zhenga, X. Lib, Q. Jiaa, c

a College of Chemistry, Jilin University, Changchun 130012, China

b China-Japan Hospital of Jilin University, Changchun 130033, China

c Key Laboratory for Molecular Enzymology and Engineering of Ministry of Education, School of Life Sciences, Jilin University, Changchun 130012, China

ACS Appl. Mater. Interfaces, Just Accepted Manuscript (2018), DOI: 10.1021/acsami.8b01445

Current Impact Factor of 7.504 (2017 Journal Citation Reports)