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ポリロタキサンに基づくβ-シクロデキストリンの全身デリバリーはニーマンピック病の治療効率を増強させる

2018.5.23

ニーマンピック病C型 (NPC)はコレステロールのリソソーム内への蓄積に特徴付けられる致死的な代謝性疾患である。HP-β-CDはニーマンピックC型モデル動物においてコレステロールの排泄促進や延命効果を示すにも関わらず、極度に高い濃度が必要である。筆者らはNPCにおいてβ-CDの治療効率を増強させるために、ポリマーチェインに沿って複数β-CDが連なり、酸性で切断可能なストッパー分子によってキャッピングされた酸分解性ポリロタキサンを開発した。酸分解性ポリロタキサンは酸性のリソソームの下解離し、リソソーム内にβ-CD群を放出することでHP-β-CDよりも低い濃度でNPCモデル細胞においてコレステロールの排泄を促進した。本研究ではポリロタキサンの治療効果についてNPCモデルマウスを用いて研究を行なった。毎週のポリロタキサン投与は以前報告されていたHP-β-CDに比べて500mg/kgという低い濃度にもかかわらずマウスにおいて寿命を有意に延長させ、神経変性を抑制した。詳細な組織コレステロールの分析によりポリロタキサンによる治療はNPCモデルマウスにおいて顕著にコレステロールの組織蓄積を抑止したが健常マウスにおいてはコレステロール量を変化させなかった。従って酸分解性ポリロタキサンはNPCの治療においてβ-CDの効力を増強させるための有望な候補である。

参考論文
Polyrotaxane-based systemic delivery of β-cyclodextrins for potentiatingtherapeutic efficacy in a mouse model of Niemann-Pick type C disease
Tamura A1, Yui N2.
1 Department of Organic Biomaterials, Institute of Biomaterials and Bioengineering, Tokyo Medical and Dental University (TMDU), 2-3-10 Kanda-Surugadai, Chiyoda, Tokyo 101-0062, Japan.
2 Department of Organic Biomaterials, Institute of Biomaterials and Bioengineering, Tokyo Medical and Dental University (TMDU), 2-3-10 Kanda-Surugadai, Chiyoda, Tokyo 101-0062, Japan.
Journal of Controlled Release. 2018 Jan 10;269:148-158
Current Impact Factor of 7.786 (2017 Journal Citation Reports)

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