レスベラトロールは、抗酸化作用や抗がん作用などの生物学的機能を示すことが注目されており、栄養補助食品や化粧品として上市されている。しかし、その低い水溶性や安定性が問題となっている。これらの問題を改善するため、レスベラトロールの O-グルコシル化が行われるが、収量や有機溶媒使用の面から、生産性に課題があった。Marié らは、β-シクロデキストリンとレスベラトロールの複合体に cyclodextringlucano-transferase (CGTase) を作用させると、有機溶媒フリーかつワンステップでレスベラトロールの O-グルコシル化が可能なことを明らかにした。本研究は、レスベラトロールのグルコシル化の生産性を向上させるうえで、極めて有用な方法である。
参考論文
Enzymatic Synthesis of Resveratrol α-Glycosides from β-Cyclodextrin-Resveratrol Complex in Water.
Thomas Marié et al.
Chaire Agro-Biotechnologies Industrielles (ABI)-AgroParisTech, CEBB 3 rue des Rouges Terres, F-51110 Pomacle, France
ACS Sustainable Chem. Eng., 6(4), 5370-5380 (2018).
Current Impact Factor of 5.951 (2017 Journal Citation Reports)