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アダマンタンと β-シクロデキストリンの超分子学的相互作用を利用したタンパク質へのアプタマー修飾

2018.5.25

近年、標的細胞選択的に薬物をデリバリーする際のリガンドとして、アプタマーが汎用されている。しかし、アプタマーと薬物の相互作用は弱く、化学修飾が必要になる一方で、アプタマー修飾により、薬物の活性の低下も懸念される。Jiang らは、モデルタンパク質の GFP にゲスト分子であるアダマンタンを、アプタマーにホスト分子の βシクロデキストリンを修飾し、ホスト-ゲスト相互作用を介して GFP にアプタマーを可逆的に修飾した。本技術によりアプタマーを修飾した GFP は、効率よく細胞内に取り込まれた。本報告では、in vitro しか研究が行われていないものの、本技術は薬物にアプタマーを修飾する際に有用な技術になり得る。

 

参考論文

Supramolecularly Engineered Circular Bivalent Aptamer for Enhanced Functional Protein Delivery.

Ying Jiang et al.

Hunan University, China

J. Am. Chem. Soc. in press (2018).

Current Impact Factor of 13.858 (2017 Journal Citation Reports)