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シクロデキストリン(CyD)による揮発性低分子の粉末安定化(第三弾)!

2021.7.29

こんにちは。副社長の石橋です。

各種CyDは有機分子に対して強い包接能を持つため様々な揮発性低分子の粉末安定化に利用されています。今回はエチレンの粉末安定化について紹介いたします。

 

 

エチレンはバナナ、レモン、ミカン等の果物の貯蔵庫にボンベなどで吹き込むこと成熟促進やパイナップルの開花促進のためにフィルムで覆って吹きかけることで利用されています。

エチレン構造式.png

しかし、このエチレンは爆発性可燃物のため利用する際に危険が伴うこと、処理操作が不便であり非常に扱いが難しいことが知られています。

 

そこでこの問題を解決するためにα-CyDの包接化によって安定化した粉末使用が検討されました。

 

水100 mLにα-CyD14 gを溶解し、攪拌装置を有する高圧密閉機に入れて高濃度エチレンを4気圧送入し、室温にて24時間攪拌しエチレンとα-CyDの包接化合物を作製、包接化合物はα-CyD:エチレン=1:0.6 molの割合で含有されている。

 

このエチレンα-CyDを未成熟トマトの成熟に対する日数がどうのようになるか検討が行なわれています。

直接日光のあたらない室内に室温で、内容積1Lの密閉できるふたを有するガラス容器に未成熟の青緑色トマト6個を入れ、エチレンα-CyD包接粉末体0.5 gを入れた場合とエチレンを吹き込んだ場合の熟成に要する日数と無処理試料の熟成に要する日数の差を観測した。

その結果エチレンα-CyD粉末体とエチレンを吹き込むどちらの場合も無処理のものに比べて約4日熟成に要する日数が短かった。

 

 同様にバナナも行なったところ、エチレンα-CyD粉末体とエチレンを吹き込むどちらの場合も無処理のものに比べて約7日熟成に要する日数が短かった。

 

以上のことからエチレンα-CyD包接体にはエチレンボンベを使用してエチレンガスを吹き込む処理と同様の成熟効果があることが証明された。

 

この技術が活用されることで安全で簡易に果物などの成熟促進を行なうことができます!

 

 

今後もシクロデキストリンの機能についてやサイディンでの日常について更新してい

きますので、どうぞよろしくお願いします!

 

【問い合わせ先】

 

株式会社サイディン

 

Email:cyd@cyding.jp

 

TEL:096-371-4862

参考:食品開発者のためのシクロデキストリン入門

シクロデキストリン(CyD)による揮発性低分子の粉末安定化(第二弾)!

2021.7.27

こんにちは。副社長の石橋です。

各種CyDは有機分子に対して強い包接能を持つため様々な揮発性低分子の粉末安定化に利用されています。今回は二酸化炭素の粉末安定化について紹介いたします。

 

 

α-CyDは二酸化炭素に対して最も高い吸着能力を持つことが報告されています。

α-CyD100 gを耐圧容器に入れ8 kg/ cm2の圧力の二酸化炭素を20℃で20時間接触させると約4 g重量が増加(包接化)した。またβ-CyDにおいても同条件で3.5 g包接化し、γ-CyDやデンプンではほとんど包接化できていなかった。

各CyDの二酸化炭素吸着能力の比較グラフ.png

 

このことからα-CyDを用いることで二酸化炭素を粉末にすることが出来ます。

二酸化炭素を粉末化することでどのような活用方法があるのか?

CO2を含有したケーキやカステラの調理方法が紹介されていました。

ケーキに関して、ケーキ重量はCO2-α-CyDを入れたものと入れていないもので同じであったが、容積に関してCO2-α-CyDを加えたケーキは約2倍量に増えて、ソフトで口解けが良好であったと報告されています。

またカステラに関してもCO2-α-CyDを加えたものは加えていないものと比較して約1.5倍量容積が増加している。しかし1日たったらCO2-α-CyDを加えたものも加えていないものも容積は同じになっておりフワフワ感はなくなっていたと報告されています。

 

自分はほとんど料理をしないので、二酸化炭素の粉末を料理に利用するといった発想はありませんでしたが、CO2-α-CyD入りのケーキやカステラ食べてみたいです!

 

今後ケーキやお菓子用のCyD関連商品の開発を行うかもしれません!?

 

CO2-α-CyD入りのパンなどあったらフワフワで美味しそうですね!

 

 

今回は二酸化炭素の粉末化に関して紹介しましたが次回はエチレンガスの粉末化について紹介したいと思います。

 

今後もシクロデキストリンの機能についてやサイディンでの日常について更新してい

きますので、どうぞよろしくお願いします!

 

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 株式会社サイディン

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参考:食品開発者のためのシクロデキストリン入門

スポーツジムとの仕掛け

2021.7.21

こんにちは。社長の弘津です。

調”身”料「ドンマイン」の再製造に向け早急に準備を進めておりますが、今後の仕掛けとして、Kuru-Lab株式会社の柏野さんとの打ち合わせのため、ルーロー合志に行ってまいりました。

合志市、日本ユニシス株式会社、株式会社ルネサンス、熊本大学、Kuru-Lab株式会社と連携し、地域住民の健康増進を図るコミュニティの場所として「フィットネス&コミュニティ コレカラダ」を、そして健康データの取得・研究活動の拠点として「コレカラボ」を2020年2月1日に熊本県合志市の「旧西合志町庁舎」である「ルーロ合志」内に開設したそうです。

https://cu.unisys.co.jp/hairpin/healthy_city_koshi2/

2021年秋頃にドンマインと運動を掛け合わせたイベントを実施予定です。詳細が決まり次第、報告します!

IMG_1066.jpg

シクロデキストリン(CyD)による揮発性低分子の粉末安定化(第一弾)!

2021.7.20

こんにちは。副社長の石橋です。

各種CyDは有機分子に対して強い包接能を持つため様々な揮発性低分子の粉末安定化に利用されています。今回は低級アルコールの粉末安定化について紹介いたします。

 

 

α-CyDはアルコールの炭素数が2個ないしは3個の低級アルコールに対して他のβやγよりも結合能力が強いことが知られています。

低級アルコール.png

 

粉末アルコール商品の開発は今後アルコール類の運搬が楽になったり(溶液ではなく粉末で運ぶことで重量を減らすことができる)、新たなお酒の利用方法(入浴剤など)を提供できるのではないでしょうか。

 

まだ自分は粉末アルコールを利用したことがないのでぜひ利用してみたいです。

 

今回はアルコールの粉末化に関して紹介しましたが次回はガスなどの粉末化について紹介したいと思います。

 

 

 

粉末化したいお酒などをお持ちの方がいらっしゃいましたらぜひご連絡下さい。

 

CyDの力で新たな商品の開発を行いたいと思います!

 

今後もシクロデキストリンの機能についてやサイディンでの日常について更新してい

きますので、どうぞよろしくお願いします!

 

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参考:食品開発者のためのシクロデキストリン入門

初心を忘れず!

2021.7.16

こんにちは。社長の弘津です。

ちょうど5年前。第1回熊本テックプラングランプリで最優秀賞をいただきました。
がんばらないといけない、というのは月並みだが、今はそれしかないです。がんばります!

初心を忘れず、突き進みます!

さて、明日は第6回熊本テックプラングランプリ!
会場に行けないのは残念ですが、オンラインで視聴します!
https://ld.lne.st/kumamoto/tp_kumamoto2021/

 

 

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シクロデキストリン(CyD)の包接化現象とは?!

2021.7.15

こんにちは。副社長の石橋です。
本日はCyDの特徴である包接作用について紹介いたします。

 

CyDは底のないバケツのような構造を有しており、外部は親水性を示し内部は疎水性を示す極めて特異的な物質です。

 

CyDは疎水性の空洞内(内側)に色々な成分(分子)を包み込むように取り込みます。この作用を「包接」といい内部に何らかの分子を取り込んだ状態のCyDを「包接体」と呼びます。

この包接体を形成するという特性を持っているので、CyDは様々な産業分野で利用されています!

 

包接化現象.png

このCyDの包接化現象を利用すること(包接作用)によって様々な機能性が生まれてきます。

不安定な物質を安定化させる「安定化」、香料などの成分を徐々に放出する「徐放化」、有効成分を包接化することで分子間力を断ち切り、分子レベルで効果を発揮できるようにし、有用成分の使用量を軽減する「バイオアベイラビリティの向上」、嫌な臭い、味などを改善する「マスキング」、水に溶けにくい物質を包接化し、水に溶解させる「可溶化」、気体や液体を安定な粉末にして、利用しやすくする「粉末化」、吸湿性の高い物質を包接化して、吸湿性及び潮解性を防止する「吸湿性防止」、油溶性物質を包接化し、汚れ成分を除去する「洗浄効果」、粘度の高い物質を分子レベルで包接化することで分子間力を断ち切り、粘度を下げる「粘度調整」といった機能を示すことが出来ます。

 

包接作用により発揮される機能.png 

 

またこの包接化現象はどんなものでも包接化するのではなく、CyDの種類によって「包接化されやすい分子」と「包接化されにくい分子」がありこの機能はCyDの分子認識能と呼ばれており、CyDの種類を選んであげることで、ある分子(成分)特異的に包接作用を利用することが出来ます。

 

サイディンでは商品などに利用したい分子(成分)に最適なCyDの種類や濃度を選定する受託も行なっています。

最適なCyDの選定に関しては25,000円~50,000円といったリーズナブルな価格で検討可能です。※CyDはどんな分子(成分)でも包接できるということではないので検討の結果CyDと相性が悪く包接出来ない場合もあります。

 

今後もシクロデキストリンの機能についてやサイディンでの日常について更新してい

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ほぼ完売!!

2021.7.14

こんにちは。社長の弘津です。

味ではなく、身体を調える調”身”料「ドンマイン」、ここ数日も注文が相次ぎ、ついにネット販売分も含めほぼ完売しました。

継続的に続けてもらうためにも、急いで次の製造を進めます!

次回販売時期が決まりましたら、報告しますので楽しみにお待ちください。

今後ともよろしくお願いします!

スクリーンショット 2021-07-14 21.12.30.png

シクロデキストリン(CyD)による香気成分の安定化!

2021.7.13

こんにちは。副社長の石橋です。
本日は香気成分の安定化について紹介させていただきます。

レモンなどに含まれるシトラールは爽やかな匂いが特徴で、様々な製品に利用されています。

しかしながらシトラールは熱や紫外線に弱く直ぐに分解されてしまいます。

CyDを用いることでシトラールを安定化させることができるか、検討が行なわれています。

 シトラール残存率グラフ.png

その結果β-CyDとシトラールは包接複合体を形成することで、熱や紫外線からのダメージ(分解)を抑制することが報告されています。

  今回の検討の他にもレモン由来の香料であるリモネンでも同様な検討が行なわれており(リモネンの場合はβ-CyDではなくγ-CyDによって安定化されている)、CyDによって様々な香気成分が安定化されることが報告されています。

 

洗濯後の柔軟剤などの匂い成分にCyDを用いて成分を安定化させることで、香りを長持ちさせることが出来るかもしれません!

 

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参考:食品開発者のためのシクロデキストリン入門

2週間ぶりの投稿

2021.7.12

こんにちは。社長の弘津です。

2週間ほど、投稿できていませんでした。

6月29日に熊本テレビ(TKU)の「英太郎のかたらんね」で調”身”料「ドンマイン」を取り上げていただいて以降、多くの問い合わせをいただいております!

当日は電話が鳴り止まないという非現実的、経験したことがない状況でした。

その後、ネット販売やスーパー・薬局の追加発注の対応に追われていて、ブログを更新できておりませんでした。

ただ、おかげさまで、初回製造分はほとんど無くなり、追加生産の準備中です。

ドンマインは、継続的に使用することが重要なので、1回だけの購入ではなく続けてもらう仕掛けもしていきたいと考えております!

引き続きよろしくお願い申し上げます。

iOS の画像 (18).jpg

シクロデキストリン(CyD)による血糖値上昇抑制効果!

2021.7.8

こんにちは。副社長の石橋です。
本日はα-CyDの血糖値上昇抑制効果について紹介させていただきます。

 

α-CyDは中性脂肪低減効果や体重減少効果といったダイエット効果があり以前から注目されていました。

今回の検討はα-CyD添加した米飯とうどんを摂取した時の血糖値上抑制効果についてです。

うどん200 gとα-CyD 10 g入りの米飯200 gを摂取し、α-CyD無添加のものと血糖値の上昇を比較しています。

α-CyD無添加の方は食事後30分後に血糖値が急激に上昇した、しかしα-CyDを添加した方は緩やか血糖値の上昇を示した。

血糖値グラフ.png

この結果からα-CyDは食後の血糖値上昇を抑制することが(味や見た目を変えることなく)報告されています。

α-CyDは最近話題になっている血糖値スパイクを抑制することで様々な病気の予防などができるかもしれません。

 

今後もシクロデキストリンの機能についてやサイディンでの日常について更新してい

きますので、どうぞよろしくお願いします!

 

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