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"多"刺激応答的シクロデキストリン誘導体

2018.08.08

シクロデキストリンを利用したドラッグデリバリーシステム(DDS)において、刺激応答的な包接や放出が望まれている。そこで筆者らは、様々な刺激に応答し物性が変化するシクロデキストリン誘導体を合成した。具体的には、チオール基を介して複数のオリゴエチレングリコールをシクロデキストリンに導入した。このオリゴエチレングリコール修飾シクロデキストリンは、相転移温度よりも高い温度では、オリゴエチレングリコールが凝集し、シクロデキストリンの包接能力が下がることで、ゲスト分子を放出する。一方、相転移温度よりも低い場合、オリゴエチレングリコールが分散し、ゲスト分子を包接しやすい状態になる。さらに、還元環境において、より親水性が増加することや金属イオンの添加により包接力が増加するという特徴を有する。

以上のように、チオール基介在性オリゴエチレングリコール修飾シクロデキストリンは、温度や酸化還元、金属イオンの添加により物性を変化させる"多"刺激応答のシクロデキストリンとして、DDSへの応用が期待される。

 

参考文献

OEGylated Cyclodextrins Responsive to Temperature, Redox, and Metal Ions

R. Zhu1, A. Qian1, J. Yan1, W. Li1,2, K. Liu1, T. Masuda1, A. Zhang1

1Department of Polymer Materials, College of Materials Science and Engineering, Shanghai University

2School of Engineering and Applied Sciences, Harvard University

ACS Appl. Mater. Interfaces, 10, 13258-13263, 2018

Current Impact Factor of 8.097 (2017 Journal Citation Reports)